かりそめの『過去』

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「兄貴の罰ゲームでしょ?映画とプリクラ」 確認するようにもう1回訊いてみた。 かなり怖いんですけどーまだチャラい相手のほうが会話が成立してると思う。 「今日は罰ゲームじゃねーし」 「・・・は?」 罰ゲームじゃないっていうなら、なんであんなことになったの? なんで私、日照くんと映画見てプリまで撮ってんの? 「ごめん。意味わかんない」 不貞腐れたように言われる意味も分かんない。 「罰ゲームは昔やった」 ・・・前回の罰ゲームはずいぶん前だったらしい。 てか会話かみ合ってないし。 ため息がでそう。 日照くんの真正面でため息つく度胸がないから、必死にガマンするけど。 「昔やったのは分かったけど」 「だから今日は違う」 じゃあ今日は?って訊こうとしたら、また遮られた。 イラッとしてきて、ギュッと口を噤む。 いらない一言を言ってしまいそう。 「・・・昔、罰ゲームで亘夜先輩に命令された」 黙っていたら、今度は日照くんが話し始めた。 「部活でPK勝負だって言われて、負けた奴が勝った奴の命令を1こ聞くって賭けた」 兄貴はサッカー上手かったし、日照くんもサッカー部だからそういう勝負もあるのかも。 「俺が負けて亘夜先輩から罰ゲームって命令された」 「なにを?」 気が付いたら口を挟んでた。
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