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一度思い付くと、バケツ達はさっそく我先にと汚いバケツを追い出し始めました。
一つでも多く
少しでも速く
追い出そうとしました。
全ては自分の居場所を無くさないために…
やがてバケツ達の間では争いが起こり、それは大きな戦争へと発展していきました。
磨きあげられたバケツもいつの間にか汚れ、穴が開き、壊れていきます。
それでもバケツ達は戦い続けました。
自分が一番綺麗だと、信じていたからです。
彼らはバケツの数が
少なくなっても
少なくなっても
お互いを比べ合い、
次々と追い出し
壊し続けました。
やがて、戦争は終わりました。
残ったバケツは一つだけになりました。
……ひとりぼっちになりました。
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