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そう言うと、男の子はもう一度哀しそうな顔をして、その場を去っていきました。
そんな男の子の後ろ姿を、バケツは引き止めることもできずに見送ると、ポツリと呟きました。
「そうだ…、僕は本当は全部解ってた。ただ、ひとりぼっちが哀しくて、寂しくて。本当に、それだけだったんだ。」
突然の冷たさに驚いて空を見上げると、ぽつり、ぽつりと雨が降ってきました。
それはまるで自分の心を表しているようで、バケツは哀しい笑みをこぼしました。
「僕は、またひとりぼっちだ。」
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