プロローグ

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まだ薄暗い明け方。 彼は自分の部屋のベッドに座り、一人推理小説を読んでいた。 彼の名前は高峰竜之介。 家から数㎞先にある桜乃木(おうのぎ)高校に通う高校二年生。 推理小説が大好きで、部屋にある本棚には大量の推理小説が並んでいる。 その推理小説を毎日夜遅くまで読み、朝は早起きしてギリギリの時間まで読む。 これが彼の日課だった。 「竜之介! 起きてるの!?」 やっと明るくなり始た頃、ドアの外から竜之介の母親、房江の叫び声が聞こえてくる。 「もうそんな時間か…。」 仕方なく小説に栞を挟んでから起き上がり、髪を軽く手ぐしで直してから制服に着替え、部屋を出る。 「また推理小説読んでたの?」 リビングに入ると、房江が呆れた顔で聞いてくる。 「分かってんなら呼ぶなよな。」 「あんたがだらし無いからよ。」 「へいへい…。」 「そんなのばかり読んでて…本当の事件に巻き込まれても知らないわよ。」 「アホか。 そんな漫画みたいな話しあるかっての。」 呆れながら食パンをかじる竜之介。 「どうだか…。 ほら、華夜ちゃん来るわよ。 早くしなさい。」 「へいへい…。」 ピンポン♪ 「ほら、来たじゃない!」 「ったく…。」
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