アバターシステムについての件

2/15
前へ
/60ページ
次へ
「だぁぁあぁぁあぁ!! 納得いかねぇぇぇ!!」 隣が民家だって事や朝早くだって事もお構いなしに俺のバカな友人は怒号をあげた。 「どうして検定試験落とされたんだよ!? 絶対受かってる自信しかなかったんだぞ!?」 聞きもしない情報をあれこれとぶちまけて、自分がバカであることを世間に知らしめるバカな友人。 「ツバを飛ばすな。そんなの俺が知るかよ」 どうせこいつの事だ。 名前書いてなかったとか、名前をアレクサンドロス大王にしてたとかそんな落ちだろ? 「待て待て待て待て待て落ち着け勇人」 「お前が落ち着けや」 「これが落ち着いてられる話かよ!!」 もはや何も言うまい……。 「大体、九級の数学検定だぞ!? いくら俺がバカでも中学ニ年生の範囲が解けない訳ながっ!?」 俺が黙って数十秒後、やかましい俺の友人が細身の女に片手で吊り上げられておった。 正直、軽く焦った。 「うるさい、ポンコツ騒音ラジオ」 ……でもどうやら焦る程のことでもなかったらしい。
/60ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加