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「なんだ如月か。おはようさん」
実に一般高校生らしい爽やかな挨拶を繰り出した俺だが、
女は呆れた表情で俺の顔を見た。
「勇人も非常識人間。友人が吊られてるのに、助けるよりも先に朝の挨拶を交わすなんて……」
「朝っぱらから人の友人吊ってる様な奴に、非常識なんざ言われたかねぇよ!」
さて、紹介が少し遅れたようだが、この二人は俺の変な友人である如月美鶴(きさらぎ みつる)、東堂薫(とうどう かおる)
因みに細かく説明する必要もないとは思うが、
現在首を吊っているのが如月美鶴、
吊られているのが東堂薫である。
俺達は中学からの縁で、今も尚その友好関係は継続中である。
そんな俺達が通っている学校は、学力の振幅が異常に広いことで知られる「開線学園」
もしトップクラスの成績とワーストトップクラスの成績を比較する者がいたのなら、
それこそエベレストとマリアナ海溝との差を、この目で知ってしまった感じさえ味わえるだろう。
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