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とある小さな村は悲惨なことになっていた…
家らしき物は全て炭の塊となり、まだ火やが立ち込め、あたりを見渡せば、戦って殺されたもの、逃げていた途中に殺されたものの亡骸が散らばっている。
村から聞こえるのは生き延びた人達の泣き声ばかり……
この村は山賊の一味に襲われ、壊滅した。
村の人々は只、泣き叫ぶばかりだった。
その中に1人、泣きもせず、簡単に作った墓に向かって手を合わせる青年がいた。
その青年の名は、藤士郎
墓には母親と弟の名が書いてある。
山賊に襲われたときに藤士郎は
[せめて母親と弟だけは…]
と思い、自ら刀を手にして山賊と戦い、母親と弟を逃がしたのだが生き延びたのは藤士郎だけだった。
父親も弟が生まれてからすぐに死んでしまった。
藤士郎は立ち上がり、父親の形見である刀を手にして村の後ろにある藤幻山へと向かった
藤士郎は幼いときから悲しいことなどがあると決まって藤幻山へ行くのである。
藤士郎[あの秘刀が現れてからこの世は腐りきってしまった!!俺はあの秘刀はを封じ、争いのない笑顔で暮らせる世に変えてやる!!]
藤士郎の目から流れた一筋の涙は刀の柄にポタリと流れ落ちた
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