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三笠ミサキ
新学期が始まってから一週間がたったある春。
美術部の活動が臨時休止になったからか、同じ部活同士の女子高生の二人が、喫茶店に寄り道していた。
「富田ちゃん、本当?オーディオメディアチャンネルEXのDVDをくれるの?」
「だぁって~、友達じゃない。水臭いな~ミサちゃんはぁ。アタシんとこは衛星放送録画出来るのだから、楽しみにしといて。約束はちゃんと守るから」
「恩にきます!!感謝、感謝の大感謝!!」
「ははは!!アタシにマッカせなさぁ~い!!」
翌朝、学校で美術部の教室前で待ち合わせた二人。
「ミサちゃんおはよ!」
「はあはあ……富田ちゃん、ハヨ!ゴメン、待った。朝、ちょっと寝坊しちゃって」
「メールで決めた待ち合わせ時間がジャストだから許す。てか、また寝坊?五月病はまだ早いよ~、コラァ」
「エヘヘヘ」
ミサキは衛星放送番組の録画ディスクを手に取るなり、さっとカバンの中に収容したのだった。
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