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遠くにトランペットの音が聞こえる。
あれは和樹がいつも出来ず、何度も練習に付き合わされたフレーズだっただろうか。
あいつは練習熱心だったから家に持ち帰って練習でもしていたのだろう。
いつだったか部屋を訪ねた時に楽器を片手にベッドに寝転んでいたっけ。
夏のせいか、身体からは汗が大量に出ているはず。それなのに、床の冷たさが自らの体温のように感じる。
なぜ、僕はここにいるのだろうか。
体の自由が効かないのはなぜなのだろう。
普段ならこの時間には合奏のために教室を移動しているはずだ。
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