MORENDO

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もちろん今日だって、合奏に参加するために楽器が置かれているこの音楽準備室に来た。
ただ、今日は委員会の集まりがあったので他の部員に遅れをとった形になった。
それは、僕だから珍しいという訳でもなく、クラリネットの翔子だって合奏遅刻組なのだ。
彼女は音出しも合奏室で行うからと僕とは階段で反対方向へと早足で歩いて行った。

僕もたしか、準備室に入って自分の楽器のケースを開けて準備に取り掛かっていた。
クーラーなどボロくて汚いうちの学校にはないので、ジッとしてるだけで汗がYシャツに染みてくる。