パラレル・ワールド

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 はじめまして皆さん、俺の名前は杉原圭太郎(すぎはらけいたろう)だ。産まれた家庭は至って平凡。幼稚園ではちょっとやんちゃで、小学校ではやけにマセてて、中学校では何故かちょっと落ち着いていた。そんなどこにでも居る、現高校1年生。  さてさて皆さん、いきなり自己紹介をされてびっくりした、なんて人も居ると思うから念のため説明するとだな、俺は今いわゆる『パラレル・ワールドの住人』ってやつに挨拶兼ねて自己紹介をしたんだ。  なんだそりゃ、って言いたくなるのは解る。だがここで切られたら俺がただの痛いヤツって事になっちまうから、話は最後まで聞いて欲しい。  俺だってなぁ、ぶっちゃけパラレル・ワールドが存在する、だなんて考え方は、中学校と一緒に卒業したんだ。少なくともそれくらいは大人になったつもりだ。  じゃあなんでこんなにパラレルパラレル言ってるかっていうと、高校の社会科の教諭いわく『パラレル・ワールドはきっと存在している』らしく、さらには『パラレル・ワールドは様々な可能性を秘めており、もしそんな物が存在するとしたら、他のパラレル・ワールドを観察する技術を身に付けた世界だってあるはず』らしいからだ。 よく解らなかったかもしれないから、もうちょい詳しく、パラレル・ワールドの意味と一緒に説明しよう(解った人は#を押してくれ)。  パラレル・ワールド。つまり、平行世界。同じ時間軸に存在すると言われている、この世界とは違う道を辿った世界。つまり例えば別れ道があったとして、俺は右に曲がったとしよう。俺から見たら、『もし左に曲がっていたらこうなっていた』というのがパラレル・ワールドだ。アニメがゲームなったやつとかでたまにある『ifストーリー』みたいなもんなんだが、伝わっただろうか。口下手ですまん。  そしてもしそんな世界が存在するとしたら、例えば第四次世界大戦まで起きちゃってて、科学やらが異常に発達したパラレル・ワールドがあったって不思議じゃないわけだ。その技術力を駆使してその世界のヤツらが別のパラレル・ワールドを覗く装置を作り上げていたとしても、なんら不思議じゃない。教諭はそう言いたかったのだ。
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