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「思いましたよ先生! ぼくは、人に迷惑をかけたことがあります!それも、つい最近。立て続けにです」
「ほう。それはどんなふうに」
「それはわかりません」
「またそれか。君は、治そうという気があるのかね」
「もちろんです。今の質問でも、またなにもわからなかったんですか?」
「それこそもちろんだ」
「死んでしまえ」
「……まあいい。今のところわかっているのは、君に関連するなにかしらの事柄に異常があるということと、君がつい最近、立て続けに人に迷惑をかけたということだけだ」
「そうなりますね」
「まあ、私が今まさにかなりの迷惑を被っているわけだが」
「まあそんなこと言わずに」
「迷惑をかけた人物に、なにか心当たりはあるかね」
「うーん……」
「ほんの些細なことでいいんだ。最近会った人物、その人物とのやりとりを細かく分析していけば、なにか手がかりにたどり着けるかもしれない」
「そうですね……。今日でしたら、医者としか話していません」
「ふむ。それは私と、私の前に君を診た医者のことだね」
「そうです。でも、迷惑をかけた覚えはないですね」
「なるほど。ほかにはなにかないかね」
「うーん……」
「ゆっくりでいい。色々と思い出してくれたまえ」
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