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「その反応を見るかぎりでは、後者のほうが有力そうだね。私の見解でも、後者のほうが本命だ」
「違いますよ。よくそんなばかなことを次々思いつくもんだと、感心してしまって」
「ばかは君だろう」
「ばかというやつがばかなんですよ」
「それは違う。本当にばかなやつは、他人に対してなんの感情も持てないくらいばかなんだ。ばかに謝れ」
「すみません。先生」
「私は、ばかに謝れといったんだがな」
「ですから、ばかに謝ったんですよ」
「……君は、もう少し礼儀というものを知るべきだね」
「礼儀なんか、ベーコンでくるんで美味しく頂いてやりますよ」
「お次はアメリカンジョークか。君の引き出しの多さには、ほとほと呆れかえるよ」
「そんな御託はいいから、早くぼくのおかしなところを見つけてください」
「君のおかしなところなら、もうたくさんみつけているがね。まあ、君が悩まされているものとはだいぶ違うものなのだろうが」
「違うものなら初めから言わないでくださいよ。腹が立つなあもう」
「本当に君は……。とはいっても、さっきの私の仮定以外のケースだった場合、私にはもうなにもできないぞ」
「本当に使えない医者だな」
「……」
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