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少しその男を観察してみる。先ず嫌でも目に入るのが、見たことのない金色の双眼、そして背中まで伸びた黒く艶やかな髪、 それらはそこいらの女性よりも魅力的であると言わざるを得ない。
身長はそれほど高くはなく、178cmの俺からしてみれば少し見下ろす程度なので170cmくらいだろう。
さて、そんな具合に少しだが彼の容姿を観察していると、何やら苦笑いで話かけてきた。
「あー、遅くなってすまないね。 此方も色々と忙しく……と、言い訳は止めようか」
なんて感じで話始めたので、ここは黙って聞くとしよう。
目を閉じて「コホン」と、態とらしく咳払いをすると先程と同様に微笑みながら彼は話を続け様とする。
……それにしても、一挙一動が無駄に格好良いってのは、苛つきを通り越して僅かな殺意が芽生えてくるんだな?
「何やら物騒な事を考えている様だが、話を進めても構わないかい?」
おっと、ばれた。
なんというか、流石は神様っぽいやつだな。心を読むのなんて当たり前ってことか?
「何を驚いているのか大体分るけど、君さ、顔に出やすいってよく言われない?」
……言われます。下手したら表情だけで簡単な会話ならできるんじゃねw? って言われたくらいなんです。
「どうやら図星みたいだね。まぁそれもポジティブに捉えれば、素直ってことだから良いんじゃないかな」
おいおい、男相手にウインクとか止めてくれ。ねーよ。キモイわ。
って言ってやりたいところだったが、その容姿と甘いソプラノボイスのせいで不覚にもときめきかけたのは内緒だ。
「そんな苦虫を噛み潰したような顔をしてどうしたんだい?
まぁそれより、そろそろ話をしようか。
君のこれからの人生に関わる、大切な話をね」
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