鬼道衆

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祐貴の気配が変わった。 「もう一度、いってみろ」 祐貴はそういった。 浦正、蓮次意外の者はその気配に気圧されていた。 「さ、最近、この学園の生徒が襲われてる」 ジャジィは一枚の木製の札を取りだし、祐貴に渡す。 「これが、恐れた連中のそばに置いてあった」 その木製の札には般若が書いてあり、また朱色の文字で「鬼道衆」の文字。 祐貴はそれを裏返すと、刀傷と朱色の文字で「人」と書いてある。 それに、祐貴は確かに見覚えがあった。 「相手の人相は?」 祐貴が、苦虫をかんだような顔をジャジィに向ける。 「襲われた連中はことごとく、般若や鬼の面を被っていた…と言っている」 祐貴は再び外を見た。 「狙いは…俺か?」 ジャジィが首をふる。 「いや、お前だけじゃない、健水もだ」 祐貴はその言葉にため息をつく。 「何の因縁だ?アイツらは、自分に害があるやつか、依頼…」 そこで、気付く。 「依頼が奴等にあった。…つー事か」 祐貴は明らかな舌打ちをした。 鬼道衆とは、忍者…いわるゆる特殊部隊である。 諜報活動や、内部からの破壊工作、離間工作などを主とする忍者と違い、要人や首領といった重要人物の暗殺を主とするのが、鬼道衆である。 その鬼道衆に属する者たちはことごとくが、鬼や般若の面を被っていた。
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