鬼道衆

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健水は祐貴を探していた。 この時間、運動部連中は朝練でそれぞれの部室にいたりするのだが、祐貴は見つからなかった。 「どこ、行ったんだろ?」 あの、鬼道衆の一件からジャジィに行動を共にするように言われているのだ。が、毎度まいどこの調子である。 「あっ、凉真ー!」 健水は知り合いを見つけて声をかける。 「健くん、おはよう」 健水と同じく、雪村凉真は大阪かりこの学園に転校してきた。 「おはよう…祐貴みなかった?」 凉真は首をかしげる。 「さぁ…祐貴って?」 健水は祐貴の知っていることを喋った。 抜かずの祐貴。 この学園にみぎに出るものはいない。 「へぇ、そんな強いんや?」 凉真が感心したように頷く。 健水は一応、頷く。 「たぶん。」 健水は此のところの祐貴を思い出した。 平和主義者で、争い嫌いで、暇になると寝てるか本を読んでるかだ。 練習風景も見たが、丸太に例の木刀を叩きつけている…だけだったりしている。 「あっ、あの人ちゃう?」 凉真が指をさした。 そこには、どこか…大事なネジが緩くなって、抜けている様な感じで、フラフラと歩いている。 「ねむ…」 祐貴である。 欠伸をしながら、こちらに向かって手をあげる。 それもひどく億劫にだ。
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