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「健ちゃん、ホンマにあの人強いん?」
凉真は苦笑いをしながら言った。
「とても、鉄格子を斬り倒す程の実力ありそうもないねんけど」
健水はそれに答えられなかった。
「強い…はず?」
と言うのが精一杯で、後は「あはは」と笑うことしかできずにいる。
「おやん?健水と…確か」
祐貴が凉真を見る。
「雪村凉真です、よろしく」
凉真が笑う。
「おぅ、祐貴だ」
祐貴は名前だけ言うと、そそくさと行こうとする。
「って、待て」
健水に襟首を捕まれ、蛙の様な声をだす祐貴。
「な、なにをする?」
少しむせながら祐貴は健水に向き直る。
健水は笑う。
「どこにいた?」
祐貴は天井を指差す。
「屋上」
そういって、ツカツカと歩いていってしまう。
健水はため息をついた。
授業中、祐貴はずっと外を見ているし、ふと気づけば居眠りをかまし、常に欠伸か伸びをしてぼんやりとノートを取り、たまに自分の刀を取りだし整備してばかりだ。
まるで、やる気が無い。
「なぁ」
健水は教室いた祐貴に話しかけた
「んぁ?」
生返事が返ってきた。
「どうにか、ならんのかその態度は?」
祐貴はずっとにっこりと笑い、首をたてにふる。
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