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わたしは無理矢理加藤くんに腕を回されて、密着状態で保健室に向かった。
「加藤くん」
「なに?」
「部活、大丈夫?」
「大丈夫だよ。後から部長さんに言えば良いし」
相変わらず優しいよね。
そう言いたくなるほど本当に優しかった。
彼もわたしと同じく吹奏楽部でテナーサックスになったらしい。
何にも話さず保健室に着いたが、先生は不在。
「しょうがないね。こっち来て」
加藤くんはわたしをソファーに座らせて、湿布と包帯を持ってきていた。
「靴下脱いで」
わたしは言われた通りに靴下を脱いで、素足を加藤くんに出した。
加藤くんは左足の足首をくるくると回して何かを確かめていた。
あまり回されると、パンツ見えちゃうよ…
「捻挫だね。先生には内緒だよ?怒られちゃうからね。よし、部活行こうか。荷物持つから」
「ありがとう…」
わたしは再び加藤くんの肩に腕を回して、片足で歩いた。
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