はじめまして

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家の外で強い風が唸る様な音をたてて、砂を巻き上げる。 「………」 來(らい)は窓を無言で見つめていた。丈の短いワンピースを着て、床にペタンと座り、足には枷がついている。 しかし來は、そんなの事気にせず窓を見つめている。 「…キレイな雪が、僕を包むよ…砂はキライよ…僕の瞳をつぶしちゃう…」 静かな歌を歌い始めた來。それは、ゆっくりと來の寂しさを埋めていく。 ドォォオォン 盛大な音が部屋に響き、來は驚いて歌を止めた。
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