はじめまして

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「ゴッラァアァア!何歌なんか歌ってんだぁ?オイ、白ぉ!」 デカい女が部屋に入ってきた。大木のように大きな女だ。 「違うっ…僕白じゃないっ………來だよ、女将様…歌ったのはごめんなさい…でも僕にはなまっ「ドスッ」 女将様と呼ばれた女が、來の鳩尾に蹴りを入れた。後ろに飛ぶ來。 「ゲホッ……グゥ…ウ…ゲェエ…」 來は、あまりの衝撃に胃の中身を吐いてしまった。四つん這いになっている來の背中を、女は思いっきり踏んだ。 身体的ダメージを受けた來は、重さに耐えきれず床にうつ伏せになる。 「言い訳なんかいんないんだよ!ったく客受けがいいから、居させてやってんだ!!もっと静かにしねぇか」 そして女はもう一発蹴り飛ばした。顔を蹴られ、來はもう痛さで言い訳が出来ない。 「まだ死ぬんじゃないよ…金をもっと稼いだら、死ねよ」 そう言い残し、女は出て行った。來はヘトヘトになりながら、泣いた。泣き声が出ない程疲れても、泣く……… 「死にたい……」 そうボソッと呟いた。
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