第一話

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『東京行きを一枚ください』 二週間に一度、仙台から東京行きの夜行バスのチケットを買い求めにくる彼女。 金曜の夜に出発して、土曜の朝に東京に到着する。 彼女が行かない時は、日曜の夜に彼が東京行きのチケットを買う。 その時の彼はいつもスーツ。東京に着いたら、そのまま会社に行くのだろう。 私はチケットの受け渡しをしながら、いつもこうして他人の恋愛を眺めてきた。 『あの、チケットをください』 『あ、すみません。明日の23時発の東京行き。お気をつけて行ってらっしゃいませ』
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