第一話

3/4
12人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
『ありがとう』 チケットを受け取った彼女は幸せを手に入れたかのように、大事そうにバッグにしまう。 そして、小走りに去って行く。 『東京行きください』小さな声で、言ってみる。 『東京行き』と言われると私は胸の鼓動が早くなる。 そして、渡さなければならないチケットを抱き締めてしまいそうになる。 昼間発の東京行きの出発のアナウンスが流れるとバスに飛びのってしまいたい衝動にかられる。 『あなたに会えるのに』 私はいつも、あなたとの線をこんな風景と思いでつないでいる。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!