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山岳地帯の多いルクス地方のほぼ中央、ぽっかりと空いた盆地に、グラムベルという街があった。
いかにも、地方の小都市といった感じで、それほど規模は大きくないが、経済や文化、他、様々な面で、地域の中心となっている街である。
今日もまたグラムベルの街を目指し、隊商の馬車が数台、街道に列を成していた。
その最後尾の馬車の荷台の端に、ディーの姿があった。
本来の仕事とは少々ずれるのだが、移動効率の良さと路銀の必要性から、時に、このような隊商に護衛として同行する事があるのだ。
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