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「なんでも、この辺りで最近、モンスターの数が増加しているらしい。だが、うちには、いい護衛がいるから大丈夫だと、今、ちょうど話していたところだ」
商人の言葉に促されるようにして、シグマがディーに視線を移す。
品定めをするような感じもあったが、ディーはさして気に止めず、軽く受け流す。
「……まあ、それなら、安心かもしれないが……」
シグマは不安の色を残したまま、言葉を続ける。
「しかし油断はしない方がいい。いつ襲われてもおかしくは……」
「確かに、そうらしいな」
その言葉をディーが遮る。
「なんだって?」
その時、街道沿いの木々が、ざあっと騒ぎ出した。
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