第一話

2/21

45人が本棚に入れています
本棚に追加
/430ページ
「寒い…」 心も、身体も…。 11月の終わり、街中はクリスマスの装飾。キラキラ、キラキラ、終わりがない。 冷たい風が頬を掠めるので、後ろで纏めていた髪を下ろす。 下ろすと肩よりも下まである髪が、少しだけ温もりをくれる。 「やっぱり、マフラー買おうかな。昨日までは要らなかったけど。」 誰が聞いているわけではないけれど、ポソッと呟く。 そう、昨日まで私に温もりをくれていた人は、私を捨てて新しい恋人の元へ行ってしまった。
/430ページ

最初のコメントを投稿しよう!

45人が本棚に入れています
本棚に追加