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「・・・随分と言ってくれるじゃねぇか。お前みたいな挑戦的な奴は好きだが・・・敵対すんなら仕方ねぇな」
龍也の態度を見て、彼はニヤリと笑う。
龍「だったらどうする?まさか、逃げるわけないよね?」
対して龍也は、挑戦的な態度を崩さないどころか、相手を挑発する。これはもう勝負不可避だわ。
敵対する彼は、どこか嬉しそうな表情を見せ、1回咳払いをしてから答えた。
「───勿論、勝負するさ。
しかし、お前は俺の事を全く知らないだろうから、教えてやる。
俺は『大田』。この学園の男子バスケ部の主将を担っている。
で、だ。お前の親友チーム対男子バスケ部の、5対5のバスケ対決を挑ませてもらう」
男子改め大田は、そこで一息吐いてから、再度話し始める。
大「バスケ部となんて不利だと思うだろうが、安心しろ。ある程度のハンデは付けてやる。
決戦日は、来週の月曜日の放課後。作戦決め等の事も考え、今ここで試合形式を伝える。
試合は10分4クォーター。第1ピリオドと第2ピリオド、第3ピリオドと第4ピリオドの間に5分。第2ピリオドと第3ピリオドの間に20分の休憩を入れる。ルールは通常の試合と同じだ。
ウチのチームは地区予選止まりだが、それは単にこの地区が激戦区だからだ。十分、全国レベルに達していると思っている。
ま、せいぜい多くの親友を集める事だな」
そう説明し終えると、大田は龍也に背を向け、屋上の扉を開ける。
そんな大田に、龍也は真剣な眼差しを向けながら告げた。
龍「───たとえ、大田君のチームがどんなに強くても、僕達はハンデなんていらない。対等の勝負で、勝ってみせる」
先生、龍也の主人公っぷりが止まりません。マジで誰か止めてホントに。
大「・・・その言葉、忘れるなよ?」
完璧に真に受けた大田は、もう一度ニヤリと笑ってから去った。
───そして、4時間後。
祐「えー、昼休憩で龍也がとんでもなく馬鹿な事を言ってしまい、退くに退けない状況となってしまったので、早速この空き教室で、作戦会議を始めたいと思います」
場所は変わり、去年よく話し合いをした空き教室で、俺達はバスケ対決に向けての作戦会議を始めた。
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