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祐「何で雅がここにいんの!?そして何でちゃっかり朝食まで作ってんの!?理由次第じゃ不法侵入で訴えるぞ!?」
俺はバッと立ち上がり、本来ならリビングで雅を見つけた段階で言うべき言葉を言い放つ。
対する雅は、まるで当然の事のように、平然とした表情で話した。
雅「決まっている。祐一の朝食を作りたかったからだ。
その為に家に入ろうとしたが、鍵が掛かっていてな。どうにか入れないかと思っていた矢先に、偶然ポストの中に朝刊と鍵が入っているの見つけたんだ。
それを使って私は家に入り、こうして朝食を作った。安心しろ、盗られて困るような代物は盗ってもいないし見てもいない」
そう言って、雅は笑顔を見せる。
祐「・・・ハァ、堂々とし過ぎてるから、怒るにも怒れないな」
雅の態度を見て呆れた俺は、ため息を吐きながら椅子に座り、食事を再開した。
雅「クスッ、祐一は優しいな。
さて、早く朝食を食べてしまおう。そして、早く外に出てデートに行くぞ」
雅は小さく笑うと、俺と同じく食事を再開した。
───数分後。
雅「忘れ物は無し・・・っと。よし、では早速外に出るぞ」
朝食を終え、皿洗いやら歯磨きやらを終えた後、玄関で靴を履き、雅がテンション高めに誘う。
───俺の右腕に抱きついたまま。
祐「ちょっと待て。マジで待て。このまま出たらヤバイって」
俺は冷や汗を垂らしながらそう言ったが、雅は聞く耳持たず。右手で玄関の扉を開けた。
───ガチャッ
椿「祐っ!!おは・・・よう?」
そんな俺と雅を、椿が出迎えてくれた。俺の彼女が、俺と俺の腕に抱きついてる雅を出迎えてくれた。
・・・オワタ。
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