脇役のバスケ

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龍「あっ、そっか・・・わかった。今回は僕が指揮するよ」 俺の話に納得してくれた龍也は、文句を言わずに承諾する。 何人か不安そうな表情を見せているが、俺は無視して席に座る。 龍「それじゃあ早速始めるけど・・・まず最初に、バスケ経験者がこの中にいるかどうかを聞きたい。該当する人は手を挙げて」 そして龍也は、とても主人公っぽい雰囲気を見せながら、俺達に尋ねる。 うん、やっぱりこういうのは龍也が似合う。主人公安定だな。 さて、経験者は何人いるか・・・。 月「そ、その・・・小学校で3年と中学校で2ヶ月だから、上手くないけど・・・」 まず、自分を過小評価しながら月音が手を上げる。 龍「十分だよ月音!!スッゴく心強いよ!!」 それでも龍也は、目を輝せて月音を褒める。 嬉し恥ずかしな言葉を聞いた月音は、頬を染めながら笑みを浮かべた。流石龍也だ。そして息子が褒められたようで俺も嬉しい。 龍「じゃあ、他に経験者は───」 月「あ、あのっ!!」 龍也が引き続き尋ねようとした時、月音が大声を出して止める。 こんな事までやれるようになったなんて・・・成長が見れて嬉しいぞ。 月音の成長に感動する傍ら、月音は息を呑んでから告げた。 月「経験者だったら、祐一君がいるよ!!祐一君は中学からだったけど、3年間続けたし、スッゴく格好いいし頼もしいよ!!」 ・・・にゅ?俺ェッ? 龍「えぇっ!?そうだったの!?」 それを聞いて、龍也は仰天しながら俺を見る。というか全員が見てる。 椿「そうだよ!!祐は中学の頃、バスケ部だったじゃねぇか!!」 ・・・誰にも話した覚えはないんだが、何故椿は知ってるし。まあいいけど。 祐「確かにバスケ部だったが、3年間続けただけで実力は下の下だ。途中から雑用係になったし」 俺はそう言って、できるだけ皆の期待度を低くさせようと試みる。だって期待度が高いとプレッシャーが───。 ───ギュッ!! 龍「さっすが祐一!!頼りになる!!」 龍也はそう言って、横から抱きついてきた。 祐「どのぐらいの速さで教卓からここに来たか知らないが、早く戻って会議を進めろ」 俺は若干吐き気を催しながらも、龍也を押し退けて命令する。 それを聞いた龍也は、どこか嬉しそうにはにかみながら教卓に戻り、会議を再開した。
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