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祐「おはよう椿。じゃ、早く学校に行くとするか」
椿と挨拶を交えた俺は、すぐさま学校へ向けて歩き出す。
───が。
───ガシッ!!
俺を無理矢理止めるように、椿が咄嗟に俺の左腕を掴んできた。左腕めっちゃ痛い。
祐「・・・どうした?」
痛みを我慢してポーカーフェイスを見せ、椿にそう尋ねる。
すると椿は、寂しそうにこう言ってきた。
椿「・・・彼女に対して、その反応は酷いぞ?
もっと話してくれてもいいじゃん・・・かわいいねとか・・・綺麗だねとかさ。
そ、そして・・・おはようのキスとか・・・しても・・・///」
恥ずかしそう+頬染め+美少女。普通の男子なら効果テキメンだ。
しかし、俺はあくまで脇役。
祐「キスは卒業式までお預け。これは決定事項だ」
無論、効果などある筈が無かった。これぞ脇役とモブの違い。
椿「なら、腕を組んで登校!!」
祐「歩きにくい」
椿「手を繋いで!!」
祐「同様の理由で却下」
椿「・・・ケチ」
全てを払い除けたら、椿は不満足そうに頬を膨らます。可愛いな。感動的だ。だが無意味だ。
祐「ケチで結構。とにかく、さっさと行くぞ」
俺はそう一括して、再び前に歩き出す。
椿「・・・わかった」
その後ろを、椿は落ち込みながらついてきた。
───約5分後、俺と椿が歩道の近くまで来た時、
「おーい!!祐くーん!!椿さーん!!」
左側から、俺と椿を呼ぶ声が聞こえたので、すぐさま反応して左側を向く。
弥「やっ、1日ぶりだね」
刹「2人とも、お変わりなくて良かったです」
そこには、爽やか脇役で、美貌はイケメンだが、残念な事にBL属性を持つ、『一ノ瀬 弥三』
ここら一帯を仕切ってる水上組の総長の孫で、まさに大和撫子という言葉が似合う容姿を持つ、『水上 刹那』がいた。
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