君の家は俺の家。

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「お客様、同棲ですか?お二人ともまだまだお若いのに、うらやましいですね~」 こってりした油がのっていそうな小太りのおじさんが俺たちの物件探しを手伝ってくれるようだ。 「いえ、一応形式的にはルームシェアという形になるんですかね?」 俺は足りない部分を補う様に応える。 「ほぉ、ルームシェアですか。最近流行ってきましたからね。たくさん物件ありますよ」 そう言っておじさんは奥の別室に消えていった。 たぶん資料でも持ってくるんだろう。 「ねぇ、無理して部屋いっぱいあるところじゃなくていいよ?私……、その……」 「わかってるよ。全部承知で一緒に住もうって言ってるんだから、気にするな」 そう、俺たちが一緒に住むことになったのには理由がある。
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