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名前を聞いた瞬間二人は全身から冷や汗が吹き出すのを感じた。
心臓を捕まれたかのような感覚に息苦しささえ感じた。
「おい。空夜の知り合いか!?」
「馬鹿か!!俺にあんな見た目変質者の知り合いなんていねぇよ!!陸のお友達だろ!?」
「アホが!!俺だってあんな友達いねえしいてほしくもないわ!!」
二人はかなり小声で話しているが正直1秒でも早くこの場から離れたかった。
それほどまでの緊張感に包まれているのだ。
とりあえず二人は前方にいる二人組に視線を移した。
隙があればすぐに逃げる。
二人の作戦はそれしかなかった。
「それでその二人はどこに居てはりますの~」
「この世界。」
「も~そんなんわかってますえ!!場所です場所!!」
「…………」
「まさか分からんのですか?」
「…………」
「はぁ…Ⅹって立場か悪くなると黙りする癖直した方がええどすよ。」
「すまないⅨ。」
男がⅩ、女がⅨ。恐らく名前ではなく組織で使われてる呼称だろうと二人は推測した。
「ええどすええどす。今から探すにしても情報がほしいどすわ~」
Ⅸは頭を抱える振りをしながら悩みだした。
「空夜今のうちに逃げるぞ!!」
「だな。」
二人は踵を返しその場から離れようとしたときだった
「あそこにネズミがいる。そいつらから聞けばいい。」
無機質な男の声が二人の歩みを止めたのだった。
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