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目が覚めると、辺りは薄暗く、人は目の前にいる……
…雪下さんしかいなかった。
数時間前に起きた出来事を思い出し、血の気が引いて全身が震える。
雪下さんは恐怖の対象でしかない。
「やっと起きたか」
雪下さんが話しかけてきたから、防衛本能で身体を丸めた。
背中には、温もりを感じた。
ポンポンと優しく軽く叩かれ、自然と震えは収まった。
驚いて顔をあげると、目に映ったのは悲しそうな雪下さんの表情。
「…悪かった、怖がらせてごめんな?」
バツが悪そうに謝ってきた雪下さん。
ぽつりと話し出した。
「ほら、あるだろ?
好きな人程、苛めたいって。
まぁ、あれみたいなものなんだ…」
…は?
えっえっ、どうゆう展開?
「す、すみません。
それは告白ですか?」
分からない時は直球に聞く。
もしかしたら誤解の可能性もあるから。
というか、誤解であって下さい。
雪下さんは木更さんとにゃんにゃんしてて欲しい…!
雪下さんは顔を赤くすると、
「違う違う!
可愛い後輩的な意味!」
全力で否定された。
うん、良かった。
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