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「ところで、貴方様はこんな時間まで如何なされておられましたか?
やはり、生徒会のお仕事でしょうか?」
ワンコくんが何をしていたのか気になって、聞いてみた。
「そ…。
モサモサ…来てから、みんな仕事しない。
だから…俺、やる。
モサモサ、悪くない。
やれって、言う。
みんなが、モサモサと…遊びたい、だけ」
…生徒会、クズじゃん。
ワンコくん凄く可哀想…。
王道くんも、確かに悪くはないけど、ね。
「それは…酷いですね…。
貴方様も、お身体を崩さない程度で、お仕事に励んで下さいね」
ワンコくんの身体が心配だけど、所詮俺はウェイターだから、こんな言葉しかかけられなくて、歯痒い。
「あり、がと。
あと、名前で…呼んで?
敬語も、めっ…」
めっ…って…。
可愛すぎるだろう!!
「…すみません、私はただのウェイターなので、そんな烏滸がましいことは…。
それに、失礼ながら私は、貴方様のお名前を存じておりません」
正直に言う。
今はもう、生徒じゃないから、新しい生徒会のメンバーの名前なんて知らない。
「だから、敬語…めっ。
乾 未佳(いぬいみけい)。
未佳って…呼んで?」
うるうるした目で見つめられ、わかりましたと了承してしまった。
俺はうるうる目に弱いらしい。
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