2.

22/23

2510人が本棚に入れています
本棚に追加
/148ページ
「ところで、貴方様はこんな時間まで如何なされておられましたか? やはり、生徒会のお仕事でしょうか?」 ワンコくんが何をしていたのか気になって、聞いてみた。 「そ…。 モサモサ…来てから、みんな仕事しない。 だから…俺、やる。 モサモサ、悪くない。 やれって、言う。 みんなが、モサモサと…遊びたい、だけ」 …生徒会、クズじゃん。 ワンコくん凄く可哀想…。 王道くんも、確かに悪くはないけど、ね。 「それは…酷いですね…。 貴方様も、お身体を崩さない程度で、お仕事に励んで下さいね」 ワンコくんの身体が心配だけど、所詮俺はウェイターだから、こんな言葉しかかけられなくて、歯痒い。 「あり、がと。 あと、名前で…呼んで? 敬語も、めっ…」 めっ…って…。 可愛すぎるだろう!! 「…すみません、私はただのウェイターなので、そんな烏滸がましいことは…。 それに、失礼ながら私は、貴方様のお名前を存じておりません」 正直に言う。 今はもう、生徒じゃないから、新しい生徒会のメンバーの名前なんて知らない。 「だから、敬語…めっ。 乾 未佳(いぬいみけい)。 未佳って…呼んで?」 うるうるした目で見つめられ、わかりましたと了承してしまった。 俺はうるうる目に弱いらしい。
/148ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2510人が本棚に入れています
本棚に追加