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「…呉亜、驚いた?」
何を、なんて分かってる。
恵兎は、写真のことを聞いてるんだ。
「…う、ん。
驚いた…」
家族に隠し事とかは嫌だから、正直に言った。
「…そう。
嫌いになったでしょ?俺のこと」
…あれ?
恵兎の一人称が、僕から俺になってる。
嫌いになったでしょ?って…。
そんな辛そうな表情で言うなよ…。
「嫌うわけないよ…。
例え、恵兎がヤンブラだとしても、俺の可愛い弟に変わりはないから」
そう言って、恵兎の頭を撫でる。
すると、恵兎は突然泣き出した。
「え?!
ちょ、恵兎!どうした?!」
何で泣き出したか分からず、あたふたしていると、恵兎が俺の服の袖口をキュッと握った。
「グスッくれあ…ありがどー…」
泣きながら、笑顔を浮かべて言ってくれた。
その顔が可愛くて、抱き付く。
「恵兎、可愛い!大好き!」
涙を拭った恵兎は、俺の言葉を聞いて、真っ赤になって…。
倒れた。
鼻血を吹き出しながら。
「えっ、恵兎?!
しっかりしてくれー!」
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