1668人が本棚に入れています
本棚に追加
/81ページ
「ねぇねぇ、リョウ! リョウはずっと一緒にいてくれるんでしょ?」
あぁ、これは夢だ。
遠い昔にしたたわいもない約束、所詮は子供の約束というやつさ。
「護ってね? ぜったいだよ!」
あぁ、護るさ。
例えお前が邪険に思ってても。
「うんっ、あのね、リョウ。大好き!」
あぁ、そう"だった"な紫苑。
俺も…好きだったさ。
嫌な夢を見た、ガキの頃に交わした約束。
もう守らなくていい約束、今では当人ですら忘れているだろう。
「チッ、まだ4時じゃねぇか」
俺は悪態をつきながら忌ま忌ましく時計を睨みつけた。
今日は始業式、俺も高校2年生を迎えることになるのだが。
「はっ、よりにもよってこんな日に夢見の悪いことで」
正直な所、気分は最悪だった。
6時朝食なのに二度寝をするにも気分が乗らなかった。
最初のコメントを投稿しよう!