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「頂きます!」
夕飯の席で家族全員で、頂きますの挨拶をした。
一見、ごく普通の当たり前のシーンであったが、この時俺にとっては、ご飯を食べるのに挨拶するのは珍しいことだ。
おかずは、鮭を焼いたのとみそ汁にご飯。
無言で食べ始めたが、急に父が机の真ん中に置いてある塩を取ろうとした。
だが、手が後ちょっとゆうところで届かない。
それを見ていた俺は、塩に手を伸ばした。
それで俺はどうしたと思う?
普通だったなら、塩を父に渡すと考えるだろう。
が、俺は違った。
持った塩を手にとって、自分の前に置く。
何を思ったと言えば、ただ単に意地悪したかっただけなのだ。
「おい、卓何してるんだ!」
勿論、怒る父。
「何って…別に特に理由なんかない。今無性にイライラしたから、やっただけだ」
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