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夢を追ってやってきた東京だったが、私はこの街には馴染めなかった。
警告色の如く明る過ぎる街並み。
あれほど輝いて見えていたのに。
白と黒を基調とした、まるでオセロのような、この小洒落たカフェすら場違いな気がし、落ち着かない。
最初は月並みな言葉を並べて上手く人の波に乗ろうとした。
だけどある日、ふっと虚しくなった。
虚しかった。
こっちに来てから気兼ねなく話せる相手は咲だけ。
他の友人は連絡を取らなくなってから一人、二人と離れていった。
真実を追い求めたかった私には、真実なんて何一つ分かっていなかったのだ。
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