出逢い

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怪我した狐を治療するため、久坂は治療室に来ていた。 とりあえず血を拭わないと………… 動物相手なんて何年ぶりだろうか。まだ医術も覚えたてで初めて治療した患者が犬だったっけ……。 久坂は、若かりし頃を思いだし顔が綻んだ。が、一瞬目を見張った。 「おかしい…………な…………なんで!?傷が…………出血も酷かったのに…………」 見ると、出血が止まっていたのだが、あり得ない事に傷口が塞がっていたのだ。綺麗に。 始めから怪我などしていなかったように…………。 「一体、この狐はなんなんだ…?」 久坂は、狐の傷口のあった場所に包帯を巻いた。 【まったく稔麿の奴とんでもない物を拾ってきたもんだ。】
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