序章・偽りのスケッチ

2/7
前へ
/55ページ
次へ
高校2年の終わり、僕は父と大喧嘩をした。 喧嘩の理由はいたってシンプルだった。 3年になるというのに進路を考えもしない僕に父は説教をしてきた 「もう3年になるんだぞ!少しは自覚したらどうだ!」 父はいつも口だけだ・・・ いつも仕事で家にいないくせに、たまに家にいると思えば 「あーじゃない」「こーじゃない」「あーしろ」「こーしろ」 正直迷惑だった・・・。 「考えてるよ・・・」 「お前は何も考えてなんかいない!父さんはお前のことを思っていってるんだぞ!?」 僕を思っている? それはいったいどんな風に? 家にはほとんどいない、連絡だってろくによこさない奴がよく言うよ・・・ ・・・腹が立つ。 「とりあえず父さんみたいな人間にはなりたくない」 「どういうことだ!!」 「僕や母さんより仕事を大事に思うような奴にはなりたくないってことだよ」 父の顔が一瞬真っ赤にになり、すぐに赤みがひいていった。
/55ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加