序章・偽りのスケッチ

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―――――――。 僕は『ウソ』をつかれた。 小さなウソと大きなウソ。 どれも自分が生きていく上でなんの支障もないウソ。 『お前の事を思っていっている』 これは小さなウソ。 あの人はただ進路が決まらないでこの家に居続ける僕が嫌なだけ。 『家族が大事』『息子が嫌いな親なんていない』 これは大きなウソ。 別に父さんが家族が大事だと思っているのかなんて知るすべがない。 息子が嫌いな親なんていないという世間的な意見も知った事ではない… そんな事ではなく、もっと単純な事だ。 ――僕はこの家の人間じゃない――。 両親は一度も僕に話そうとはしない。 だけど僕は知ってしまったんだ… そう。 今から3年前。 僕が中学2年のときだった ―――――――
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