序章・偽りのスケッチ

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――――― 『いちいち言われなくてもわかってる!・・・、親のフリばっかするなよ!』 気付いたらそんな事を言っていた。 ただ、ただ怒りに言葉をまかせて… 僕は家を出る。他人の家にこれ以上お世話になるつもりはない。 全部、怒りにまかせた適当な言葉だったのに… 父は反対しなかった。 それどころか編入先の学校の手続きとアパートを用意してくれた。 嬉しくなんてなかった… それだけ僕にいなくなって欲しかったんじゃないかって考えたら…涙が止まらなかった… アパートに向かう電車の中で僕は一人、静かに泣いていた。 この涙がどうして流れるのかわからないまま… 僕の新しい生活が始まろうとしていた…。
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