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高校一年生の四月はというと、順風満帆な学生生活を夢見た活気溢れる生徒が印象的である。かく言う俺もその一人なのだが、このクラス内でただ一人、それを真っ向から否定するような女子が、俺の真後ろの席でワカメを養殖していた。
本当はこんなことを言いたくないのだが、真後ろの席で突っ伏している女子はワカメを養殖していた。
「前原さん。もうすぐ授業ですけど」
「……ん」
寝惚けた様子で体を起こしても、やはりワカメはワカメである。
折角の艶溢れる髪の毛が、実に残念なことに。
そんな特徴的過ぎる彼女を俺は密かに観察してみようと思う。
話は遡ること一ヶ月前の四月。
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