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午後五時。日が落ち始め辺りは暗くなり始める。少し早いがコッピーのアパートへ行った。
俺のアパートより小奇麗だが壁に泥が付いていて少し黒くなっている。
女が住む所とは考え難いが、そんな物だろう。
日焼けしたインターフォンをローチが押した。
「はぁい」
中の女が無警戒にドアを開ける。狙われている自覚が少し足りないようだ。
「私はローチで、こいつがガラルファだ。よろしく頼む」
「待ってたよ。入って入って」
もっとも、その人なつっこい笑顔を見れば仕方ないと思える。人に敵対されるのも、まして命を狙われるなんて初めてなのだろう。
この女の仕事は極端に言えば男を半ば騙し金を落とさせる事だが、それがよく務まると思う。人を騙したり出来そうになさそうだ。
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