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「出発しろ」
ローチの命令に手にしていた食料を助手席に置き車を発進させた。
「人が車に乗ったら、すぐに出せ。いつもと全部、同じだ」
「分かったっス」
この程度の叱責は、いつもの事だがまだ慣れない。そもそも、すぐに出発する必要があったのか問い正したい。
「まあまあ。怒ってると、せっかくの美人がだいなしだよ」
コッピーがフォローを入れてくれた。ローチも少しは見習って欲しい。
「別に美人じゃない」
運転してて声しか聞こえなかったがローチは照れていた。いつもならあり得ない事だった。
「そんな事ないよー。服とかもっと工夫してみなよ」
とても楽しそうだ。どうやら俺が外に居る間に随分と打ち解けたようだ。
「そう言うの、どうしても興味、持てなくてな」
「じゃあさ、私が選ぶの手伝うよ。ね?」
「悪いけど私には勿体ないって」
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