2.護衛対象との接触

9/10
前へ
/68ページ
次へ
「出発しろ」      ローチの命令に手にしていた食料を助手席に置き車を発進させた。     「人が車に乗ったら、すぐに出せ。いつもと全部、同じだ」     「分かったっス」      この程度の叱責は、いつもの事だがまだ慣れない。そもそも、すぐに出発する必要があったのか問い正したい。     「まあまあ。怒ってると、せっかくの美人がだいなしだよ」      コッピーがフォローを入れてくれた。ローチも少しは見習って欲しい。     「別に美人じゃない」      運転してて声しか聞こえなかったがローチは照れていた。いつもならあり得ない事だった。     「そんな事ないよー。服とかもっと工夫してみなよ」      とても楽しそうだ。どうやら俺が外に居る間に随分と打ち解けたようだ。     「そう言うの、どうしても興味、持てなくてな」     「じゃあさ、私が選ぶの手伝うよ。ね?」     「悪いけど私には勿体ないって」
/68ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加