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恥ずかしい気持ちも分かるから触れないでおく。
「外国語教室の友達だよ」
コッピーは、とっさにウソをついた。マフィアとは言えないだろう。もしかしたら店で働いてる事も襲われた事も言ってないのかも知れない。
「外国語教室?」
「う、うん。ちょっと体験入学」
ウソがバレないか冷や冷やした。コッピーも同じ心境だろう。
「はあ…。一人暮らしには慣れたか?」
ウソだと知ってか知らずか男は話題を変えた。
「うん。慣れた慣れた。もう一年たつもの」
「そうか」
男は笑顔のまま俺とローチに近づく。実に爽やかな笑顔だ。
「兄のバチと言います。妹がいつもお世話になってます」
そして頭を下げた。
まずはローチが返す。
「ローチです。こちらこそいつもお世話になってます」
そして俺も挨拶する。
「ガラルファっス。いつもお世話になってるっス」
なぜがバチは俺を一瞬、苦笑いしながら見ると「では失礼します」と、もう一度頭を下げて外へ向かう。
俺もだがスーツの似合う爽やかな好青年だ。インテリで人当たりが良く礼儀正しい。
そんな兄をコッピーは無邪気に可愛らしく手を振って見送った。
ローチは俺を軽く睨む。
「さっきの人に礼儀を教えてもらえ」
どうやら俺は何かやらかしたようだ。
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