4.アリバイ

3/11
10人が本棚に入れています
本棚に追加
/68ページ
「な、なっ」      いきなりの出来事に声も出ないようだ。さっきは上手く逃げたのに情けない。     「騒ぐと撃つっスよ」      押さえた声で銃口を向けながら警告する。     「何ですか!?」      どうやら俺が何を言ったかも分からないようだ。隣人に声を聞かれて通報されてもマズい。      こう言う事をするのは慣れてないが仕方ない。なるべく何も考えないようにしつつ男に向かい床を蹴った。    そして、みずおちにヒザを叩きつける。力を入れるタイミングを間違え充分な威力は出なかったが、それでも男は昏倒した。息も出来ずに転げ回る。    よく見ると入浴直後で髪が濡れていた。     「銃を撃った後のにおいを消したんスね」      拳銃を向けつつ回復するのを待った。     「まずは私が質問する」      ローチがキロダスを睨みつける。俺を睨む時とは違う。
/68ページ

最初のコメントを投稿しよう!