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車に戻るとアパートで起きた事を告げた。
「キロダスは犯人じゃないっスね」
一瞬、俺の言った意味が分からなかったようだ。
「そうなの」
「そうっス。他に心当たりは無いスか?」
「他のお客さんぐらい。でも失礼なこと言ったりしてないし」
なぜ自分が狙われているか分からないようだ。
確かに人から恨みを買うような性格にも見えない。それなら即物的な理由か、例えば
「失礼スけど、お父さんの遺産目当ての可能性はないスか?」
コッピーは考え込んで返答に困っていた。ないことも無いのだろう。
「じゃあ近隣トラブルは無かったスか?」
これは心当たりがあるようだ。
「アパートの管理人さんから夜にテレビの音とかうるさいって苦情が来てたって言われた。
でも帰って来るのが夜だから仕方ないよね。私もなるべく静かにしてるし」
「そうっスね」
同意はしたがローチに報告だけはしておこう。もしかしたら犯人かも知れない。
話してるうちにローチから電話が来た。キロダスのアリバイの事だろうと思いながら携帯電話を耳に当てる。
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