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そこでローチとキロダスが戻って来た。
キロダスは俺とコッピーに一度頭を下げると助手席に座った。少し肩に力が入っている。
ローチも、それに続いて後部座席、コッピーの隣に座った。
おずおずとキロダスが口を開く。
「久しぶりですね。あの時は迷惑をかけました」
その謝罪にコッピーは若干の距離を取る。もっとも警戒したり嫌悪したりしている様子はない。
「もう気にしてないから良いよ。
何か話でもあるの?」
コッピーは作り笑いで応じた。仮にも相手は元ストーカーだから人が良過ぎる感じがする。
「コッピーさんは命を狙われてるんですよね?」
「うん」
そして沈黙。話がある筈のキロダスは何を言ったら良いのか分からないのか口を閉ざしてしまった。
見兼ねたローチが、やれやれと言わんばかりに助け船を出す。
「護衛を手伝いたいんだって。信用するか?」
若干の間を置いてコッピーが小さく答える。
「…うん」
とても本当に信用してるとは思えない。当然と言えば当然だ。
ローチにも、それは分かり
「相手は銃を持ってるが絶対お前に銃を渡さないし、これをきっかけにコッピーと関係を持つってオチもない。それでも良いか?」
「はい。今度は助けになりたいです」
明瞭な声での即答。どうやら男は後悔していたようだ。
「なら電話番号とメールアドレスを教えろ。何かあれば呼び出す」
「はい」
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