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翌日。この日も夕食後に見舞いに向かう。面会時間ギリギリだがコッピーによると昼間は父の調子が悪いそうだ。
昨日、味方にしたキロダスは俺やローチが入浴したり着替えを取りに行く時に代わりに見張り役をしていたが病院までは連れて行かなかった。今はコンビニでアルバイトをする時間だ。
病室に入る。むっとする空気は二回目でも慣れない。そんな中、この空気とは正反対に健康そうな青年、コッピーの兄、バチも見舞いに来ていた。
「お父さん、調子はどう?今日はヨーグルトを持って来たよ」
満面の笑顔でカバンからヨーグルトを取り出す。兄には目も合わせてないが肩は密着する位置に立った。その様子を俺とローチは後ろから眺めた。
「ああ。大分、良いよ。ありがとう」
今日は本当に調子が良いようだ。昨日とは違い弱々しさは感じられない。
「リンゴ剥くの面倒になったな」
バチがコッピーの頭を小突く。話し方も昨日の爽やかで礼儀正しいものではなく子供、いや赤ん坊とでも話す感じだ。相当、妹を可愛がってるようだ。
そして、こっちには気付いていない。
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