プロローグ

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ある高校の体育館裏ーーー 「今だ!!殺れ!!」 男の叫び声を合図にその場にいた数人の男達が一目散にある場所目掛けて殴り掛かる。 男達が殴り掛かった先には綺麗な黒髪の女性。 たが、男達はその女性にためらいなく殴り掛かる。 男達と女性の距離がほぼ0になった時だったーーー 『ぐわぁ!!!』 男達は1人残らず苦痛の叫び声をあげて飛び散った。 残ったのは女性と先程合図の声を張り上げた男のみ… 女性はクルッと男の方に体を回す。 それと同時に男は情けなく短い悲鳴をあげた。 だが、女性はそんな怯えている男無視して男に歩み寄る。 「や、やめてくれ……」 女性は止まらない。 「頼む……まだ俺は死にたくねぇ……」 止まらない。 女性と男の距離は手の届くほどの距離になっていた。 男は涙目になる。 女性はお構い無しに拳を振り上げた 「ま、待っ……」 グシャ!!! 鈍い音と共に男の鼻が折れる。 そう、女性の拳が鼻にクリーンヒットしたのである。 「ぎゃああああ!!!」 男の苦痛の叫び… だがーーー バキッ!!!ボコッ!!!ドカッ!!! 鈍い音がまた鳴り響く… 音が鳴り止むと同時に男の叫び声も聞こえなくなった。 女性は意識を失い倒れている男を漆黒のような黒い瞳で見下げる。 その見下げる姿は正に黒い死神……
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